いつも僕がどんな風に詩を作っているのかをお話いたします。
題材となるのは下記の新作
白き衣を身に纏う
見なれた景色
見なれた街並み
見なれた人
「白き衣を身に纏(まと)う」 と擬人法を使っておいて
「見なれた景色/見なれた街並み」 で風景、景色、を出して適度に裏切ります。
(常套手段過ぎて余り面白くありませんが。。。)
―この詩を思いついたのは、三田に来て雪が積もっているのを見たときでした。
―そのときに、第一の句が思いつきました。
―第二の句は、どう展開しようかと考えた末、思いついた方向です。
―ここで次の句に悩みます。
そして、最後に
「見なれた人」 ときて、もう一度裏切ります。
日本語の特徴として、最後に来た言葉が、一番重要になるので、
この詩の作者は、
『雪を見て、誰かを思い出したんだなぁ』
ということになるのです。(現代文の問題解説みたいですねw)
―ここでもうひとたび悩みます。
―こういうとき、よく悩むのは「て、に、を、は、が、で…」などの格助詞です。
―ここは、今回は格助詞の悩みどころがなかったので、
―どういう工夫をするかで悩みました。
―問題となるところは次の句です。
―「見なれた人」
―この句を、
―「見慣れた人」
―「見馴れた人」
―と漢字で書いてみて、その読んだときの印象を考えたりします。
―ほかには
―「見なれたあの人」
―「見なれた人と」
―と、
―『見慣れた〔何がし〕』と、リズムを作ってきた句に変化をつけます。
―今回悩んだのは、この選択でした。
―悩んだときは、全部読み上げてみるのが一番です。
白き衣を身に纏う
見なれた景色
見なれた街並み
見なれたあの人
少し恋心が垣間見えますね。
見なれたはずの街並みが、雪景色になっているとき
見なれたはずのあの人に、雪がかかって少し○○○にみえる
というわけです。
―この場合
―見なれたあの人 が直感的に読みにくいので
―見慣れたあの人 か
―見慣れたあのひとにすると、スムーズに読めます。
―(こういうところは結構重要です)
白き衣を身に纏う
見なれた景色
見なれた街並み
見なれた人と
これまた恋心が出てきますね。
こういう『○○と』という句は、
必ず対比する何かや、付帯状況 などがついてくるので、
印象として、その先が無い分、丸いきれいな円が欠けたような
なにか、足りない印象が残ります。
―こういう句は、読み手に自由度があって面白いので、
―色々とその先の句を考えてみて、面白ければよく使ってます。
見なれたはずの街並みが、雪景色になっているとき
見なれた人と、○○○
このときは、ふたとおり思いつきますね。
見なれた恋人と、みるいつもと違ったこの景色が、
いつもと違う、素敵な姿にしてくれる
か
恋心を抱いて、月日が経ち、
その姿を、見なれてしまったあの人と、
この、いつもと違う、素敵な風景を見ることができたなら、
どれだけ素敵なんだろうか
のふたつです。
―こういうのは、いつも悩むんですが、
―大体、一月ぐらいほったらかして、
―冷静に、自分の作品を読めるようになってから、
―決めたりします。
いかがでしたでしょうか?
こういうのは、あんまりしないので、
ほかの作品を楽しむ機会になれば幸いです。
よろしければ感想を頂ければ幸いです。